今月は、地方が続いた先月に比べてスケジュールに余裕があったのですが。
その空いた時間の有効活用とばかりに、ソロベースの動画撮影を企画しまして、撮ってまいりました。
撮影は、以前からの友人であるシンガーソングライターの吉田和史氏。歌舞伎町で「うつむきのカリスマ」として名を馳せていたシンガーであった氏は以前よりNHKその他のテレビ局でドキュメンタリーの制作に携わっていた人ですが、映像作家として本格的にフリーランスで仕事を始めることになり、音楽関係の映像にも進出したいということだったので、それなら何か一緒にやりませんかということで今回の企画となりました。
私、個人のYouTubeチャンネルとなると2ndアルバムの録音以来2年間ほとんど更新なしという開店休業状態でしたもので。なんかぼちぼち動画の更新したいと思っていたところだったのでちょうどよいタイミングでした。
撮影場所は池袋の素敵すぎる隠れ家バー、Flat Five。数ヶ月に一回くらい、ここでライブでお世話になっていますが、このバーの雰囲気は本当に素敵です。ベースソロ動画を録る場所を考えたときに一番最初に思いついた「画になる場所」でした。
そして今回、録音とミックスは私自身がトライしました。
私は今まで録音に関してはほとんど人任せでしたが、コロナ禍の配信だなんだでマイクその他の機材に触れる機会も多くなり、なんとなく録音周りの機材が揃っていたのもので自分でやってみることにしました。
実際やってみると、録音はシンプルにベストと思われる場所にいつものマイクを置くだけしか出来ませんでしたが、ミックス作業が非常に大変でかつ面白かったです。理想の音のイメージがあり、実際の録り音があり。それを近づけるにはどうするのか、たくさんの方法があって、非常にクリエイティブな作業でした。大変だったのは、自分の演奏を何度も何度も聞かなければならないこと。これは苦行でしかなかったです。
結果、出来上がりは、まあまあ、いい感じでしょう。笑
大変勉強になりました。
映像の方は、吉田和史氏がハリウッドでもよく用いられている手法・・を駆使して、とてもいい感じの色味に仕上げてくれました。カッコいい。
照明の位置やアングルなど、色々と試行錯誤した上での映像です。
撮影した曲は2曲。
ソロ演奏のときに昔からよく演奏している大好きなスタンダード、Moon River。
少しだけソロ演奏用のアレンジして演奏しています。
そしてもう一曲も大好きな曲、Michel LegrandのYou Must Believe in Spring。
これもちょくちょくソロで演奏していました。元々はミュージカル映画の歌曲ですが、モチーフのメロディの展開が巧みで作曲家の腕が見える曲。Michel Legrandもお気に入りだったようで、以前ブルーノートにMichel Legrandのライブを見に行った時も演奏していました。
(そうそう、その時ベーシストがこの曲のメロディを弾いていて、それがカッコよくて、それで私もソロで演奏するようになったのでした。)
ジャズ的にはBill Evansの演奏が有名ですね。Eddie Gomezの超技巧ソロを苦労してコピーしました。昔。
▼▼リンクはこちら▼▼
You Must Believe in Spring
https://www.youtube.com/watch?v=QhkWQw3YtSUコントラバスのソロ演奏なんて、小さなデバイスで屋外で聴くには適さないし、イヤホンかヘッドホン必須だし、なかなかマニアックなものではあると思うのですが。
倍音豊かな低音は、(たぶん)リラックス効果ありますよ。
そして普段はドラムや他の楽器で埋もれがちな、繊細な、繊細な響きを、堪能していただけることが、コントラバス弾きとしての小さな願いです。
本来は、こういう響きの楽器なんです。ブンブン、ポンポンなんて言葉で表現される音は、ほんの一部の音なんです。
ぜひ、聞いてみてください。