先日。XUXUのSTBの日かな。
「じゃがポックル」という北海道限定のお菓子を差し入れでいただいたのです。なんでもものすごい人気で入手困難なお菓子らしいのですが、有り難い事に数箱いただきました。
話題になったのはその名前。
アイヌの昔話に出てくる「コロポックル」にちなんでつけられた、名前。XUXUのYUKIさんが「あれ、コロポックルって何だっけ」と言うので。僕は「小人ですよ、北海道に住んでる。」と何気なく即答した。
そうそう。「コロポックル」は小人だ。知っている。
そう。僕は「コロポックル」が北海道にいる小人だという事を、知っていた。
なんでだろう?なんで僕はそんな事を知ってるんだろう。
しかも、なんだか懐かしい感じがするなあと、脳みその引き出しをあれこれ探しつつ思いを巡らしているうち、昔、そんなような小説を読んだ事を、おぼろげに、思い出した。
昔、たしかにそんな小説を読んだ覚えがある。
コロポックルが、人間と仲良くなって・・・って言う話。
それで、調べてみた。
コロポックルが人間と仲良くなる本。
「誰も知らない小さな国」佐藤さとる著
なんと、1959年発表の本!!
あらすじを読んでみれば、間違いない、僕が昔読んだ話。登場人物の名前やストーリーや、その時本を読みながら自分が想像していた世界のイメージがおぼろげに蘇る。
たしか、当時やっていた公文式の推薦図書か何かになっていて、親に買ってもらって読んだはずだから、当時は小学校低学年。
自分が1980年代初頭に読んでいた本が1959年発表で、その時点ですでに30年近く前の本だった、というのも驚きなんだが・・・
なにより児童文学の奥深さと影響力の強さを感じ入った。
20年近く前に読んだ話が、今脳みその片隅にちゃんと格納されている。たまたま今回はコロポックル=小人なんて、ちょっとした蘊蓄がましい出方をして来たけれど、きっともっといろんなパーツが僕の脳みそに格納されてて、いろんな思考に影響を及ぼしてるに違いない。
以前、ロバート・ウェストール作の「ブラッカムの爆撃機」を読んだ時にも感じたのだが、一見シンプルな作りの話の中に、様々なメッセージが込められていて、しかし、シンプルなだけに、それらは押し付けがましくなく、想像力を働かせるだけのマージンがしっかり設けられている。
この「誰も知らない小さな国」もしかり。小人の住む山を自然開発から守るために、主人公が小人と協力してあれこれ画策するなんて。高度経済成長前夜の日本ならではのメッセージが見え隠れして、だけどその伝え方は、とても普遍的で、いつの時代に読んでも不自然ではない。
子供の頃の僕はこの「誰も知らない小さな国」にどんな想像力を働かせて読んでいたんだろうなあ・・・と思って。
でも、今は今で、別の感じ方をもって読むと思う。
奥が深い。
こういうモノを創作できる方々を、本当に尊敬しますし、憧れます。
音楽でも、そういう音楽が作れればいいなと思う。
機会がありましたら、是非読んでみてくださいな。
「誰も知らない小さな国」。
コロポックル物語のシリーズとして、続編も4〜5冊出てます。