ゴールデンカムイの映画を見てきました。
原作の漫画は好きで全巻読破してまして、ワクワクと映像化を楽しみに見に行ったのですが、とても良かったです。
キャラクターのキャストにも違和感どころか濃いめの演技に終始ニヤけさせられたし、映画らしいアクションシーンもあってドキドキし通し。大満足です。
ただ心配なのが物語の進行スピードで、このペースで行くなら単純計算であと映画10本くらいは必要になるのでちゃんと完結させてもらえるんでしょうか、ということだけです。大丈夫なんでしょうか、予算は、期間は・・・。。お願いだからうまく最後までやってね。
最近、漫画原作の映像化についてのトラブルが話題になっていますね。
セクシー田中さんは私漫画は少し読んだことがありましたがドラマは全く見ていないので(テレビがない)、なんとも言えないのですが、原作者の方が亡くなるというのは、なんであれとても痛ましい出来事だと思います。ご冥福をお祈りいたします。
ゴールデンカムイの映像化を見て改めて思うのは、やはり漫画と映像の有効な表現方法の違いです。
漫画には二次元紙上の絵の表現があり、映像・・今回のゴールデンカムイは映画ですが、映画には映画の表現方法があるわけで、全く同じにするには無理があるように思います。映像には音楽もあるしね。なのでメディアミックスの二次創作の場合はある程度の変更はやむを得ないのでは、とイチ視聴者としては思います。
問題なのは、原作に対してどういうスタンスでいるかということだと思うのですね。
今回のゴールデンカムイの映画は、原作とエピソードの順序が違っていたり、セリフも違ったところがあったり、原作にはないアクションが付け加えられていましたが、原作の雰囲気はよく捉えていたと思いますし、原作をよく読み込んだ上で再構築されているのがよくわかり、原作へ寄り添う姿勢がハッキリと見て取れました。なのでファンとしては多少違っても世界観を堪能できたし満足です。
二次創作で問題が起きる場合は、その部分が原作者と映像制作サイドの間でうまく合意が取れていないということなのだと思います。なので私はこの類の問題は二次創作の企画側の調整担当の責任だと思います。プロジェクトの進め方で権利者と調整取れないまま進むとか合意事項に反した形にするとかは、普通はあり得ないですものね。
原作と映像の二次創作がけっこう違うけど許容されてきたケースは結構多いはずです。
ゲゲゲの鬼太郎の原作なんて大人向けでだいぶシュールな漫画ですが(私は原作の方が好き)、アニメは子供向けの勧善懲悪モノになってますものね。ほかにもアニメでしか出てこないキャラのある漫画原作なんてたくさんあるはずです。でもその原作と映像のスタンスの違いを関係者たちが許容してきたから、(表面上は)問題なくリリースされてきているわけで。
原作者の反発を招くというのはプロジェクトの失敗だ、ということですよね。
なので原作至上主義、原作改変が悪である、というのは違うと思うのです。
そういうことに気を遣ったからなのか、最近の漫画原作のアニメは漫画そのまんまのコマ割り、セリフであることが多いですね。忠実再現というか。それはそれでまた、見ている方は面白くなかったりするんですよ。だってそれ原作で読んだし・・という感じで映像表現の新鮮味がない。ルパン三世みたいに、原作から映像向けの脚色をされることで飛躍的に面白くなった作品だって多くあるはずなので、そこはコンプライアンス厳守!!のように業界が小さくまとまる方向にいかないことを願います。
それにしてもですよ。
二次創作されまくっているガンダムなんかは、原作者の富野由悠季さんはどう思ってらっしゃるのでしょうかね。
私のバイブルのような作品である銀河英雄伝説だっていろんな形で二次創作されてますが、田中芳樹先生はどう思ってらっしゃるのでしょう。
気になるところですが、とりあえずゴールデンカムイの映画はファンとしても非常に満足であり、これから原作の漫画を読み直す沼に沈んでいこうと思っているところです。
みなさまごきげんよう。