本日は3曲目の曇り火について。
【3、曇り火】
こちらも結構古い曲です。2011年作曲なので、もう10年も前に書いた曲ですね。
自分のバンドがカルテットになる前、まだピアノトリオでやっていた頃に書いた曲です。一度カルテットでライブ録音をして、売り物にはせずにSoundCloudにアップしたりしていましたが、今回改めてカルテットで録音をしました。この頃は何も考えずにわりと本能的に書いてた頃なのですが、なんというか原色よりは中間色的な色合いのハーモニーで、淡々とした中にパッと光る何か、みたいなそんな曲を書こうとしていたのは覚えています。いかにもジャズらしいハーモニーというか・・調性がハッキリした曲ではなくて浮遊感が漂う曲に憧れていたんですね。いや、今でも好きですが。
そんなことを脚本家をやっている高校の同級生に話して、ちょっとタイトルつけてくれとお願いして、出てきた言葉が「曇り火」でした。そうです、この曲、私がタイトル付けたんじゃないんです笑。火が曇るって、なかなか面白いと思いました。どんな火よ、って思います。そんな感じです。笑
けっこう古い曲なので、今だったらこんな感じには書かないかなーみたいなところも大いにあるのですが、録音曲を選ぶに当たって久しぶりに引っ張りだしてみたら、なんというか、未熟ながらも憧れている音楽にすごく真っ直ぐに向かっている感じがあっていいなあと思ったのですね。なので今録音したらどうなるかなと思って録音してみた次第です。収録テイクはたしかTake1かTake2だったと思います。さっと演奏してみて、サラリとOKでた感じ。無理せずとにかくリラックスした雰囲気がよいなと思っています。
次回は歌モノ曲を紹介したいと思います。
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川本悠自カルテット
2nd オリジナルアルバム「One Step at a Time」
以下のリンクから、各種サブスクリプションサービス、配信サービスで聞くことができます。
ぜひお手元のデバイスでお楽しみください。
ご存知、コロナ禍でミュージシャンは音楽活動が厳しく制限されました。そんな状況下で色々な音楽表現を模索しつつの制作作業でありましたが、不要不急と言われながらも、結局は自分のできることを諦めずに一つづつ進めていくしかないな、という思いから、一歩一歩進むという意味の「One Step at a Time」というアルバムタイトルとしています。
今作は、インストゥメンタル6曲に加え、女優・劇作家の渡辺えりさんの作詞による劇中歌(#5,#6)などを含むボーカル曲3曲を加えた全9曲収録。川本自身が日本でジャズミュージシャンとして活動していく中で考える日本人による日本のジャズの形の提示を目指した意欲作です。
<収録曲>
1. 白雲一片去悠々
2. Fall
3. 曇り火
4. Climber’s High
5. 星の降る夜(音楽劇・肉の海より)
6. なみだ(音楽劇・肉の海より)
7. Amanda’s Theme
8. 1964
9. 2020
作曲 川本悠自
作詞 Note73(#4)、渡辺えり(#5、#6)
Bass 川本悠自
Tenor Sax 杉本匡教
Piano 武藤勇樹
Drums 河村亮
Vocal 寝占友梨絵(#4、#5、#6)