このところ色々な事情があって、家の便器のフタを閉めるように努力している。
「努力している」というのは、閉めたくても閉め忘れることが多いからだ。そう、フタを閉めるという習慣がなかなかつかなくて、苦労している。
便器のフタを閉めるというのが常識やマナーに当てはまるかどうかという議論はさておいて、周囲の友人の話をつらつら聞くに夫婦や同棲、家族の揉め事のかなり上位に「夫(もしくは同居男性)が便器のフタを閉めない」というのが上ってくるような気がする。まあ公明正大なアンケートではなく私の周囲の話なので、世間一般としてそれがマジョリティかどうかはわからないけれど、とにかくよく聞く。かく言う私も実家に帰ると母に便器のフタを閉めなさいと言われているような気がする(よく覚えていない)。
話を聞く限り便器のフタを閉める派は圧倒的に女性であり閉め忘れるのは圧倒的に男性なので、なんていうかトイレデリカシーとでも言うのか、生活の中で求める清潔感の違いのようなものだと思うので、そりゃ女性の方がそういうことには敏感であろうなあと聞いていて思う。というのも男性は習慣でない限り合理的な理由がないとなかなか行動しない人が多いため、「便器のフタを閉める」ことによる生活的利益、もしくは「便器のフタを閉めない」ことによる不利益が感じられない限りなかなかそうは行動しない。
つまりそれは、もしそういう合理的な理由があるのならちゃんと行動するぜ、おれだってちゃんとした生活を送っている一人前の人間なんだからサ、といういかにも男性的な意味のわからないプライドが裏にある。
さてその合理的な理由があればちゃんと行動できると思っている一人前の社会人としてのプライドの持ち主が一人で暮らす我が家。
色々あってと先に書いたけれど、便器のフタを開けていてトイレに置いてあるモノが悲しいかな便器の中にドボンしたことが何回かあって、これはまずい、あまりに気分が悪いといわゆる"「便器のフタを閉めない」ことによる不利益" というのをハッキリと感じた。
以来、便器のフタを閉めようとした。つまり不利益を回避するという合理的理由により特定の行動を習慣化しようと心の底から思った!わけである。
が、これが。。。
なかなか。。。。
わかるだろうか、何気なくトイレを出て、忘れた頃にまたトイレに入った時に便器のフタが開いていた時のこのやるせなさ!なにせこれが一回ではない。この数ヶ月続いているのである。
相手は夫でも同居人でも家族でもない。まごうことなき数時間前の自分自身である。。。
また・・・・お前か・・・・!!!
怒りをぶつけようにも自分自身でなんとかするしかない。
だいたい犬猫だって躾ければちゃんと決まった場所で用を足すのである。合理的な理由があればちゃんと行動できると思っているプライドを持った一人前の社会人は、そんなシンプルな習慣すらなかなかつかないのだ・・・。
プライドはずたずたである。
数ヶ月葛藤してみて、最近は5回に4回くらいは閉めている気がする。一つの行動を習慣化するって、すごい時間のかかることなのだと改めて思い知った次第。
今まで「そりゃー価値観の違いだからさぁ、難しいよね、男は合理的行動が・・」とかナメた口利いてすみません。そんな自分は火星14号で木っ端微塵になれば良いと思う。