

今日本番前にエンドピンのゴムを買ってきました。
今までどうしてもキッチリとアジャストするエンドピンのゴムが見つからなくて、なんとなくサイズが近いものを無理やりはめこんで使っていたのです。僕の楽器のエンドピンは写真のように凸型のネジに円筒形の金属をはめて固定する形状なのですが、そもそもなぜこんな形状をしているのかがサッパリ理解できなくて、でもゴムはどうしても必要なので楽器屋にいって使えそうな適当なモノを使っていたのです。そのせいかなんなのか結構消耗が早くて割と頻繁に交換してました。まあ1コ100円程度だったのでそんなに負担にはならなかったのです。
三日ほど前に演奏中ゴムに穴が開いてしまいましてあえなくゴムはご臨終となりました。このままでは楽器が滑って演奏できない。買いだめしていた新品も手元にない。ああ、こりゃ補充せねばならんと今日、いつものように楽器屋に行ったわけです。なにせ1コ100円ですから、いつもは楽器屋に「あるだけ出して。全部買います」とザ・リアル大人買いをして買いだめし、不測の事態に備えていたわけです。まあ全部買っても1000円程度ですから。それでちっぽけな自尊心を自嘲気味に満たすという自傷行為にも等しい日々をおくっていたわけです。
ところが今日いつものように楽器屋に行っておなじみのゴムの商品名を言ったところ、その商品は取り扱いがないという。なんてこった。「あるだけ全部持ってきて」というセリフを言う爽快感すら奪われるのか、と。なんだよいつも置いてるじゃないか、商品棚ひっくり返してでも持ってこい・・・と言おうかと思った矢先に「今あるのはこれだけで・・・・」と目の前に出されたエンドピンのゴムは、見慣れたネジ谷のついた円筒形の金属が、すっぽりハマっているものではないですか。
はて、もしや。。
僕のエンドピンに本来はまるべきゴムはこれ・・・?試しに自分の楽器からとってきた円筒形の金属をハメてみるとまるでそれがそこにはまるのを待っていたようにすっぽりハマり、ハメてみるとその金属はまるで1000年前からそこにいるのが当たり前みたいな顔をしてそこに収まる。以前まで使っていたゴムとは大違いだ。前のゴムときたら、ちょっと小さいサイズを無理やりはめこんで楽器の重さで奥までハメていた始末なのだから。
「これは・・・??」と店員に聞くと「ああ、ドイツとかチェコとか東欧系の楽器にはよくあるエンドピンですね」とさも当たり前のように言う。我が愛器みっちゃんはハンガリー製だと聞いてる。そうか・・と納得する前にあまりにそのハマり具合にもはや疑う余地はない。僕のエンドピンの先に収まるべきゴムは、コイツだ。
「じゃ、じゃあ、これをください!」
「はい、お一つで?」
「あ、ある・・・だけ・・・」
と値段を見る。
ひとつ、1000円。
棚には同じものが少なくとも10コは並んでいる。
「だけ・・・ひとつだけ・・・ください」
「はい、どうもありがとうございます」
たけぇよ!!
なんだよゴムひとつで1000円て!!
と、思いつつ、おそらくは形状に無理がないため消耗の度合いも低いはずで、ひょっとしたら楽器も安定するので音にも変化がでるかもしれない。という計算も働く。
自傷気味な大人買いと現実の利益を天秤にかけた結果、実利が買ったというワケで。ちなみに今日それで演奏してましたけど特に大きな変化は感じませんでしたが。笑
それにしても、今までどうしてこのゴムじゃなかったんだろう。楽器買ってからずっとそうなので、もう10年くらい変なゴム使ってたことになるわけで。
楽器買ったときがどうだったか既に思い出せず、そもそもの原因が買った楽器屋なのか自分なのかもよく分からない。とりあえず10年かけて正しいゴムに出会えたことの感動を祝して今夜もカンパイするわけであります。
大人買いのリミットが意外に少額だったことはアルコールと一緒に忘れてしまうことにして。