九州から戻ってきて数日。休む暇もなくバタバタとした日々を過ごしております。
日本という国は本当に罪な国で、出かける先出かける先全部に美味しいモノ美味しい酒があるんです。ゆえにツアーに出るとどうしても食べ過ぎ飲み過ぎになります。ツアー中に撮った写真の自分の姿を見てみるとまあそこにはなんともユルんだシルエット。そんなこんなで東京に帰ってきてから少しダイエット中です。
ツアー中は、差し入れを頂いたりお弁当を出して頂いたりと、食べ物がそこかしこにあるために常に何か物を食べている状態で、また公演後の打ち上げなど時間が来れば自動的に飲み食べする生活になってましたので、今自分が腹が減っているかどうかということを実感する暇がなかったんです。そりゃあ太ります。そんな過ごし方を何日も続けるうちに、ツアー中は極端な例としても日常でもわりと「あ、昼ゴハン食べなきゃ」というようにリズムで生活してしまっていて空腹になったから食事をするという感じではないのかもしれないなあ、とふと思いまして。
それならば「空腹」とやらを感じるまで食事するのをやめてみようじゃあないかと思ったわけです。
ちょうど帰り道は九州から東京まで35時間かけてフェリーに乗る予定にしていましたので、では船の中でちょっと大人しく空腹を感じてみようかと。
26日の昼12時頃、公演前にお弁当をいただいたあと、公演を終え撤収し18時の船に乗る。そのまま船の中で何も食べずにずーっといたところ、ああ何か物を食べたいなあという気分にはなっても、いわゆる「腹が減って仕方がない」という感覚にはあまりならなかったのです。はて、と思いそのまま過ごしていまして初めてお腹が「グゥ」と鳴ったのは24時、ちょうど日付が変わる頃でした。およそ12時間。でも、特にまだ飯を食わずにはおれないという状況ではなかったので、お茶飲んで本読んで寝て。朝起きた時には徳島入港してましたんで、碇の上げ下げやらトラックの出し入れを眺めるのに忙しく、しばし食事のことは忘れ、はて何時から飯を食ってなかったかなと思い出した時が昼の12時。その時初めて「ああ、腹減った」と思いました。ほぼ24時間経過。ここらあたりでもういいかと思って(プチ断食に飽きた)軽めの食事を取りました。特に体調は悪くなってません。
どうも我々の食欲というものと、体がエネルギーを欲するというのは直結しているワケではなさそうですね。
食欲とは、おそらく生活の習慣に支配されたものです。そして本当に体が本能でエネルギーを欲する状態は相当危険な状態なのであって、望まずそういう状態に陥るのは別として正気を保ったままその状態になろうとすることはガチの苦行以外の何モノでもないなと思うわけです。
つまりそれが、どういうことかというと、
こんなことを考えるほど、35時間の船旅は相当に暇な時間だったということだと、思います。
もうちょっと高尚なことを考えられるかと思ったんだけどなあ。
写真は紀伊半島沖に沈む夕日とキノコみたいな雲