昨日、関わっているとある企画の関係で、芸術文化振興基金の説明会に行ってきました。
まあ、平たく言えば、芸術活動に対する助成金、補助金の説明会です。
助成金申請して認められると、文化庁や基金から資金援助してもらえるわけです。
僕が関わっている企画も、いくつか応募要件を満たせそうなので、申請を考えているわけです。
場所は懐かしの日本青年館。山野ビックバンドコンテストの会場。
補助金の説明というから、会議室でホワイドボードみたいな絵面をなんとなく想像していたんですが、
とんでもない。1000人以上収容できる、青年館の大ホールが満席でありました。
やはり芸術分野で活動する人たちはみな資金繰りに苦心しているのだなと。
音楽、演劇、映画、美術、伝統芸能などなどの芸術家の活動には資金が必要ですけど、
このご時世、お客さんの入りだけで経費を賄うのは、なかなか厳しいわけです。
その状況は、たとえば現代美術の様などちらかというと大衆性の低いものだけの話でなく、
一般的に名前が知れていて、集客力のある有名劇団であっても、似たような状況なのです。
そういうときに文化振興を目的として国が援助してくれるというのは、
芸術活動をする上で、とてもありがたい話です。
ところが、つい最近世間をにぎわせていた「事業仕分け」なるもので、
文化庁が主宰する補助金制度である「芸術創造特別推進事業」というやつは
バッサリ仕分けられてしまい、今年度で打ち切りになってしまっているのです。
何を税金のムダ遣いとするかというのは、その時の国家や政府の価値観によるものなのですが、
少なくとも文化芸術という分野は、人間の精神的充足に必要不可欠であると思うし、
ある程度の経済レベルにある日本は、もっと精神的な豊かさに投資するべきだと思うんですね。
話は若干逸れますが、昨今話題になる社会問題なんかも、
経済成長して成熟した社会において「経済的成長をする」という目標設定が難しくなって、
社会全体が目標を失い、精神的充足を得られなくなっている事が原因の一つなのではないかとも思います。
もう経済発展成長を目標にひたすら生産・消費をするステージには、この国はなくて、
安定した経済力のなかで、個々人が、それぞれの精神的充足を追い求めて行くステージにいるのではないのだろうかと思います。
国全体が、そういう方向に、舵取りをしていく時期が来ているのではないのだろうかと思うのです。
まあ、そんなことを考えつつの、補助金説明会だったわけです。
「芸術創造特別推進事業」は仕分けられてしまったけど、
名前を変えて別の助成金制度を予算請求中とのことでした。いや、頑張ってください、文化庁。
説明会後、個別質問があったわけで、あれこれ質問をしてみたりしてたのですが、
文化庁の仕事ですから、お役所仕事的に話が進んで行くのかなあと思いきや、
文化庁の担当の方も、芸術振興会の担当の方もとても親切で、
我々の側に立って仕事をしてくれているような感じでした。
芸術分野に理解があるからなのか、それとも何か別の理由があるのかはわかりませんが、
ちょっと安心しますね。
A4封筒にごっそり資料をもらい、これから申請に関しての作戦を練ることになります。
ゲージュツはカネがかかるのです。