中津江村から戻って来て2日ほど経ちますが、
まだなんとなくキャンプの濃い時間を引きずっている感じがします。
とても気持ちよい夢から目が覚めてしまって、
まだ続きを見たい、まだ目覚めたくないと体が言っているような。
でもこの夢は夢で終わるものではなくて、
現実に戻ってからこそが重要な夢なんだろうと思います。
7月24日から8月1日まで。
大分県中津江村にある、中津江村民ホールという建物を宿舎にして、
中津江ミュージックキャンプが行われました。
主催はいつもお世話になっている兄貴分ピアニスト、中村真さん。
中村真さんが全国をチャリンコツアーしてる最中にこのホールに出会い、
このホールを使って音楽合宿を始めたことがきっかけで企画が練られ。
去年から、音楽のワークショップをはじめ、様々な分野のワークショップや、
地元民参加型のキャンプとして始まった企画。今年が2回目。
イメージとしては、学生時代に音楽サークルでよくやった、音楽合宿みたいなものでしょうか。
でも参加者はみなプロミュージシャンか、プロを目指している人たち。
学生時代とは腕も志も経験も違うため、ものすごい濃い音楽の時間が流れていました。
僕は今年から、サポートミュージシャンとして参加させてもらいました。
参加者の音楽をベーシストという立場で手助けするという役割だったのですが、
もちろんそれだけで終わるわけもなく、いろいろな形で参加者と関わる事で
今後、音楽家として活動して行く上で多くの重要な事を学んだり、気づかされたりしました。
特に、参加した即興ダンスのワークショップや、即興演奏のワークショップからは
音楽以前に、一人の人間として、自分の人格の殻をやぶることを教わりました。
何かを表現する過程で、自分と向き合うということは、
自分の限界や欠点に対して真正面から向き合う事でもあって、かなり辛い事です。
自信もなくしていくし、自己批判を繰り返す事になります。
日常から意識して向き合っているつもりでも、つい目を背けがちになっていることに
ガッチリと向き合う機会を作ってくれたのがこの二つのワークショップでした。
一方、自信を喪失して、自己批判を繰り返す流れをポジティブに持って行ってくれたのが、
キャンプに参加している同じ志を持つ仲間達でありました。
直接的に慰め合うわけではないけれど、場面場面で与え合う本気の刺激が
限界や欠点と向き合って行くモチベーションを高めて行くことにつながっていきました。
音楽好きが30人ちかくも集まって一週間もワイワイやれば、楽しいに決まってるんですが、
それだけではただの楽しい夢。目が覚めてしまえばおしまいで、忘れてしまえばなくなります。
でも今回の中津江では、今からどう自分と向き合って行くかというヒントをもらいました。
ようするにまた精進の日々ということです。
夢が夢で終わらず、現実の力となるように。
写真は地面にねそべって見上げた中津江の空。
日暮れ前のマジックアワー。